ヒミツの生活
この日から、あたし達は一応付き合い出した。
順番逆とか言ってたけど…
出会ってすぐに同棲の時点で、順番は狂っていたんじゃないかって思う(笑)
「…はい。」
大悟はあたしに向かって手を差し伸べた。
「ん?」
あたしはよく分からなくて、少し動きが止まってしまった。
「ったく。」
大悟は呆れながら、あたしの左手を強引に掴んで歩きだした。
「手繋ぐんだよ!」
大悟は前を向いたまま言った。
少し顔が赤くなっている。
可愛いやつめ。
恋なんてしばらくしていなかったから。
恋愛感情なんて、どういうものだったか忘れちゃった。
でも大悟と居れば、思い出せそうな気がする。
そう思いながら、歩いていた。