夏の空は蒼く輝く

「しつこかった・・・
 どうしたの?」

二人して顔を赤くして
お互い背を向けているので
帰ってきたリョウが
不思議がってみている

「いや、なんでもねー。」

コウくんは帽子をかぶり直して
また練習に行った

「変なコウだなー
 ハナ、なんかあった?」

「ううん、なんにもない。」

言えない
あんなことあったなんて
なんでかリョウには言っては
いけない気がする

外からは野球部の声が
聞こえる

けれどもそれ以上に
自分の心臓の音がうるさい

ダメ・・・
ドキドキしないで・・・

こんな経験初めてで
いけない事をしてしまった
子供の気分だった

その日の夜は夏なのに
なぜか少し涼しく感じた


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