…だって好きだから
<修一>


車内は無言が続いていた


春香は少し遠くを見て何か考えているようだった


何考えてるんだ?


今日は仕方なく付き合ってくれたんだろう


きっと君はそう思ってる筈だ


緊張のせいで上手く笑えない普段通りにできてない


君には俺が不機嫌に見えているかもしれない


情けない…


今日は楽しませてやるつもりだったのに何やってんだか


無言で車を走らせた


チラリと君に目をやると未だに遠くを見つめている


「はぁーっ…ゴホッゴホッ」


緊張と無言に耐えきれず思わず出てしまった溜め息


慌てて咳き込む振りをした


春香が一瞬ビクッと
してパッと俺を見た


「大丈夫?」


「…咽せただけ」


クスクスと君が笑う


それからは緊張の糸が解け何時も通りの2人になっていた
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