…だって好きだから
<春香>


「春香…こっちにおいで…彼女だろ?」


「えっ?」


「ああ…やっぱ俺が行くよ」


修ちゃんがあたしの隣に座る


グラッとゴンドラが動き


「キャッ」


っと小さく叫び修ちゃんにしがみついた


「あっ…ごっごめんちょっと吃驚しちゃった」


と言って手を離した


「ふっ…彼女なんだから気にするなよ」


彼女…嘘の…恋人ゴッコそれももう直ぐ終わるの?


言うなら今しか無いそう思った


「修ちゃん…お願いがあるの…」


「何お願いって?」


じっと修ちゃんを見つめて言う


「あたしを抱き締めて…触れて…感じて今だけは彼女として…お願い」


「はっ!おまっ…何言って…」


「お願い…そしたらもう困らせたりしないから…諦めるから…」


あたしは精一杯の勇気を振り絞り言った


涙をこらえて…
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