…だって好きだから
<修一>


向かい合って座る君は恥ずかしそうに笑っていた


「こっちにおいで」


と言ってみたがやっぱり自分が隣に移動することにした


ゴンドラをあまり揺らさない様にサッと動く


少し揺れてしまい君は小さく声をあげ俺にしがみついた


ヤバイ…心臓がぶっ壊れるかもしんねぇ


このまま抱き締めたい衝動にかられ腕を動かした


その時抱き締めるより先に君はパッと俺から離れた


「吃驚しちゃって」


高い所苦手だもんな
ごめんな揺らしちゃって


なんて思ってたら真剣な顔して君は言った


「お願いがあるの」


お願い?何だ?いつになく真剣な顔の君に戸惑う


「抱き締めて…触れて…感じて」


触れるだけでは止まらなくなりそうで怖い


「そしたら諦めるから」


ごめんな…君に其処まで言わせてしまうなんて


俺も覚悟を決めるよ
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