夜空~君と流れ星~

 …そして、ついにきてしまったんだ




 その時が。






 その日も凍えるような寒さだった。




 マフラーをもう一巻きしたあたしは、叶の病室前。

 あたしは、いつもそこを開けるのが、怖かった。





 そこに叶がいなかったら。



 いつも、そんなことを考えてしまう。





「かーなーうッ」




 いつものように。



 明るくそう言って、扉を開けた。



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