ブリーフ エタニティ
長い夜
慣れた手つきで呼び止めたタクシーに乗せられて、向かう先は彼が泊まっているという品川のホテル。
さっきからお互い一言も話さずに、ただ手を繋いで窓の外の流れる景色を見ていた。
彼の少し湿った掌がやけに心地いい。
「俺のこと見損なった?」
ふと、隣から低い声がそう呟やいた。
「別に。私も後悔したくなかったから。
共犯ってことでいいんじゃない?」
顔は窓側に向けたまま答えた。窓に映った恵司の口角が上がったのがわかって、私も思わず笑ってしまう。
こんな状況、笑うしか対処の仕方が分からないや。