ブリーフ エタニティ
目的地に到着して、手を引かれながら部屋の中に入れられた。


電気をつけるより先に腕を引っ張られて抱きしめられる。


「酔ってるわけじゃないんだけどなぁ…」


頭の上から低い声が聞こえた。

お酒のせいにしてもらえた方がずっと楽だったけど、こうなってしまったことに後悔はしていない。


「ひどい男になればいいんじゃない?
感動の再会なんて別に望んでなかったし、なんなら最悪の再会になった方がずっとおもしろいと思うけど。
きれいな思い出じゃないけど、恵司の頭の中に私が居続けられそうだから」


我ながらとんでもない事を言ったものだと、客観的に見る自分がいた。
これで最後だと思ったら、考えたことをそのまま口走ってしまうことも躊躇わなくなっていた。


「やっぱり若菜ってひねくれてる」


笑いを含みながら彼がそう言い終わった直後、その唇を私の唇に押し当ててきた。


謎のときめきと安心感で、崩れ落ちそうになる。
舌を絡めながら崩壊しかけた思考が停止していくのを感じた。

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