ブリーフ エタニティ
「ひどい。いじわる」
「ごめん。でも一人で出てこうとする若菜の方がひどいから」
そう言うと彼は私を抱く腕の力を強めた。
彼の鼓動が速いことに気づく。
「…あんな私のかっこ悪い言葉聞いた上でこんなことして、どういうつもり?」
「自分としては、若菜の気持ちがもう離れてるつもりでいたから…正直この展開は想定してなくて。
だからこんなに自分本位な行動して申し訳ないと思ってる。
けど、やっぱりもう後悔したくないから言うね。
会わない間に自分なりに成長したと思ってるし、会わない間に若菜との思い出を塗り替えられる人はいないって散々実感した。
だから、やりなおせないかな」
真っ直ぐすぎる彼の言葉が胸に突き刺さる。
突然の告白に思考が停止してしまった。
なかなか言葉が出てこない。
「素直に嬉しいんだけど…明日から海外で生活するって立場だってことわかってる…?」
やっとのことで声を絞り出したけど、出てきたのはやはり可愛くない言葉だった。
「うん、一方的に無責任なこと言ってごめん。ただ、遠距離とか関係なく若菜とまた改めて関係を築きたいって思ってるから…若菜の中で多少でも可能性があるなら、俺のわがままに付き合って欲しい」
予期せぬ告白にめまいがした。