ブリーフ エタニティ
「いつものでいいですか?」
「お願いします」
間も無くするとお気に入りのカクテルが差し出された。
切ない味を楽しみながら、今自分が感じたいのは一瞬ではなくて本当の永遠だなと少し浸ってしまった。
そんな余韻を打ち消すように、バーテンダーが話しかける。
「恵司くんとは?うまくいった?」
「え?」
「いや、前に今度再会した時にもう一回告白するって豪語してたからさ」
驚いた。すべて恵司の計画通りに進められてしまってたってことか。
「そんなに私の話してたんですか…?」
「まあね、その色々は本人から聞いた方がいいかと思うけど。ここだけの話、彼も大学卒業してからだいぶ大人になったなーと思ったんだけど、若菜さんのこと話すとなるといつも幼いというかまだまだ子供だなーと思って見てたよ。あ、本人には内緒ね」
口角を上げながらバーテンダーはそう語った。
「なんかここ一週間驚きの連続で正直頭がついてきません」
ため息混じりに話すと、彼はふふっと笑った。
「それで、うまくいった?」
そうきかれて一連の流れを思い出し顔が火照った。
「はい、一応。なんかまだ実感がわかないですけど」
「おー、それはよかった。おめでとう、恵司くん頑張ったんだなー。
そしたら実感するためにも会いに行かないとね。はい」
そう言って差し出されたのは、下手な字で「dear 若菜」と書かれた1枚の封筒。
「なんですかこれ」
受け取りつつ中身を確認していいのか戸惑ってしまう。