ブリーフ エタニティ
…彼と付き合ってた当時、サークルの飲み会の後はいつもここに寄っていた。
気さくなバーテンダーのお兄さんは、自分たちより少し年上だったけど、今思ったら可愛らしい学生の愚痴や相談にも真摯に耳を傾けてくれていた。
サークル内の人間関係のこと、家族のこと、進路のこと、恋愛のこと…
実際社会に出てみればもっと悩みが尽きなくなるのかと思っていたけど、忙しすぎて余計なことも考えられなくなるのが現実だった。
あの頃のひたむきさとか、一生懸命生きてた感じってどこにいってしまったんだろう。
想像していた以上に社会人になった私は寂しい人間に成り下がっていたみたいだ。
カクテルを作るバーテンダーを眺めながら一人そんなことを考えていた。