ブリーフ エタニティ
「はい、お待たせしました」
差し出されたのは細長いグラスに注がれた薄く黄色く色づいた液体。
薄切りのレモンが浮かんでいる。
当時私が気に入ってよく頼んでいたカクテル。
見た目はそのままだ。
「わー!懐かしい。いただきます」
薄手のグラスを口につけてゴクリと飲み込んだ。
ライチリキュールの甘さのあとに残るのは、ジンと自家製レモネードの爽やかな味。
味も全く変わらなくて驚いた。
そしてそれとともに別れ話をした日のことを少しだけ思い出す。
別れを切り出したのは私だったけど、恵司のほっとした顔を見たら振られたような気分になったんだった。