偽りの恋愛
「茉莉??どうしたの??顔、真っ赤だけど…まさか熱?!」
そう言って時雨は自分の手を茉莉のおでこにくっ付けた。
「ちょっ…?!何して……!!」
「だめ!!動いちゃ!!熱、計れないでしょ??」
そう言って時雨は手をおでこに置いたまま目を閉じた。
ドキドキドキドキドキ……
ドキドキ……
あー!!もう!!
心臓うるさい!!
しばらく静かな空間が出来た。
「ねぇ…??」
沈黙の中、先に口を開いたのは時雨だった。
「な…なに…??」
時雨は目を瞑りながら聞いてきた。
「茉莉は彼氏とかいるの??」
彼氏…
一瞬ひなの顔が頭によぎったがすぐに消えてしまった。