happiness


 純の言う言葉は信じられなかったが、携帯電話の時計を見ると、確かに今は午前中である。
 

 さっき時間を見た時に感じた最初の違和感の正体はこれだったのか、と莢は思った。


 それでも何か言い返したかったが、莢は妙に説得力のある声に言葉を失ってしまう。
どんどん表情が曇っていく純と目を合わすことが辛くなり、顔を背ける。


 どうしてあなたが悲しそうな顔になるのよ……。


 莢は心の中で毒づきながら、地面に降り積もる雪を眺める。
 どうして学校に行かずにここにいるのか。昨日も今日も。自分はてっきり放課後だと思っていた。
 それに、鞄についていたもの。それは何だったろう。

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