happiness

 しばらく歩く。
 降っていた雪は弱まることもなく、強まることもない。

「雪、やまないね。寒い?大丈夫?」

「雪?あ、うん。大丈夫だけ……ど」

 莢はそこでおかしなことに気付く。
 気にとめていなかったが、それは二回目に純と会い、雪が降っていることに気がついたときに感じた違和感と同じである。


 どうして私は雪を冷たいと感じないのだろう。


 どうして私はこの気候を寒いと感じないのだろう。


 視覚的に膝などの露出している部分を見て寒いとは感じているけれど、実際に冷たい、寒いということを体感できていない。


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