happiness
莢
私は、すべてを思い出した。
ここはもう病院ではない。いつの間にか、私の大好きな場所へと来ていた。空を見上げれば雪は止み、今では綺麗な数多の星が輝いている。
「鞄についていたものって……あなただったのね」
「思い出してくれてありがとう」
純は私と初めて出逢ったときのような、心底嬉しそうな顔をして微笑む。
そう。純は私といつでも一緒にいてくれた。
手のひらサイズのぬいぐるみのようなお人形で、天使の羽を持っている。それを少し改良して、学校に行っているときは鞄につけていたのだ。
ずっと、ずっと一緒にいた一番の友達。