happiness

「莢、君の願い事は何?」

 私は息を飲む。
 このまま、ずっと、この世界で、人間になった純といたいと思う。
 純が人形の姿の世界になんて、戻る気はない。

 だから、それがわたしの願い。
 
 

「僕が叶えてあげられることなら、叶えてあげたい」

 純が……叶えてくれる?

「君に、一番欲しい物をあげられる存在が、僕でありたいから」

 そこで、純の言葉は途切れる。私の言葉を待っている。純が叶えてくれるなら、ひとつだけある。



「このままの姿で……ずっと私といっしょにいて」



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