happiness


 一瞬はっとしたような顔をしたが、すぐに悔しそうな表情をし、目を私から逸らし、下唇を噛みしめる純。

「莢……ごめん。それは叶えてあげられない」

 それを見た私は、胸が締め付けられる。
 さきほどからずっと繋がったままの手。それが酷く恨めしい。
 
 私が言うべき言葉を見つけられないでいると、純が口を開いた。

「……僕は、ここいられるのは三日間。もう二日いたから、今日の、日付が変わるその時までしかいられない」




 日付が変わるその時まで。
 私はとっさに手を離し、鞄の中にある携帯電話の時刻表示を見る。あともう十五分しかない。


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