happiness


「……あなたの…たったひとつだけの願い事は……何……?」

 お別れを言わなくちゃならない。それから、お礼も。
 
 今まで一緒にいてくれたこと。
 どんな手段かは分からないが、人間になって、寂しいと感じたときに現れてくれたこと。
 願いを、叶えようとしてくれたこと。


 けれど、振り絞ってようやくでた擦れ声が言った言葉は。





「ねぇ……純の、願い事は…何?」



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