恋海-私と彼の恋の伝説-
「それより、美人ねぇー。皐月ちゃん。成彦もまぁ美形だったけど、それ以上に美人だと思うわぁ。」
夏子さんはあたしのことを見つめるなりお世辞を言ってきた。
そんなことあるはずないじゃない。
確かに、お父さんは大好きだったけど。
だけど、今、あたしは汚れている。
汚れまくって、心の中が闇一色で。
だけど、それを表に出すほど、あたしは強くなくて。
だからいつも無表情でいる。
「・・・そんなことはありませんよ。」