恋海-私と彼の恋の伝説-
あたしは再び涙を流してしまった。
今度はなんか少しホッとして、涙が出てきてしまう。
どうして、この島にきてからこんなに泣くことが多いんだろうね。
「ごめん、葵を突き飛ばせなかった…」
「うん…」
そりゃ、葵も女の子だもん。
突き飛ばしたりなんかしたらあたしが許さない。
そして、海はあたしの頭を片方の手で優しく撫でた。
「葵も、一応大切なヤツだし…って、なんて声かければいいんだ?」
あたしは、海があたしになんて声をかければいいのかで悩んでいるところを思わず笑ってしまった。
「ふふ。」