恋海-私と彼の恋の伝説-

「皐月が言うなら…今日あたり帰り葵の家寄ってくるか。」

「帰り…ねぇ。じゃあ、あたしは今日棗と帰ろう。」


すると、海はいきなりあたしの両腕を掴んできた。


「はぁ??オレと帰んの!!分かったか?!」

「えっ…」


あたしは思い切り嫌な声を出してしまった。


あたしが葵の家に行ったらかなり気まずくないかな。



「葵の家に行ったらもっと気まずくないかな…」


「大丈夫…とは言い難いな」


あたしたちは二人揃ってため息をついた。


すると、後ろから「皐月ちゃーん!!」と明るい声の持ち主葵の声がした。


あたしたち二人振りかえると葵の目は少し赤くなっていた。


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