恋海-私と彼の恋の伝説-


あたしたちはタクシーで近くの病院まで行った。

棗と葵は先生に事情を話すという形で学校に残った。


あたしの方には海が付き添ってくれて、タクシーの後ろの席で静かに泣くあたしの頭を抱いてくれた。


そして、「大丈夫、大丈夫。」と繰り返して言い続けた。


そして、片方の手で折れているあたしの手首を優しく握ってくれた。


病院に着き、すぐにあたしの番が回ってきた。


ずっと、傍にいてくれた海は深刻そうに事情を話す。


「そうですか、七海 皐月さん。一つ質問いいですか??」


「え、はい。」


「七海 成彦さんの娘ですよね??」


お父さんのこと知っているの??


けど、若いお医者さんみたいだけど…


何で…??


< 152 / 359 >

この作品をシェア

pagetop