恋海-私と彼の恋の伝説-
あたしたちはタクシーで近くの病院まで行った。
棗と葵は先生に事情を話すという形で学校に残った。
あたしの方には海が付き添ってくれて、タクシーの後ろの席で静かに泣くあたしの頭を抱いてくれた。
そして、「大丈夫、大丈夫。」と繰り返して言い続けた。
そして、片方の手で折れているあたしの手首を優しく握ってくれた。
病院に着き、すぐにあたしの番が回ってきた。
ずっと、傍にいてくれた海は深刻そうに事情を話す。
「そうですか、七海 皐月さん。一つ質問いいですか??」
「え、はい。」
「七海 成彦さんの娘ですよね??」
お父さんのこと知っているの??
けど、若いお医者さんみたいだけど…
何で…??