恋海-私と彼の恋の伝説-
「皐月、嬉しそうな顔してるね。」
あたしはドアの方へ振り返ると棗がドアの近くで立って、優しく微笑んでくれた。
「まぁね。」
「皐月は、表情が豊かになったな。」
あたしは棗にそう言われて、少し驚いた。
そうかな…
確かに考え方も変わったような気がする。
それに、口調だって、自分でも変ったなって今さら自覚し始めた。
「海のおかげかな??」
棗は優しく微笑むと質問してきた。
うん、海のおかげだよ。
海によって泣かされたり、笑ったり…