恋海-私と彼の恋の伝説-
オレより少し薄い茶髪の少し長い髪が風に揺れている。
その一本一本が細く、蜘蛛の糸のよう。
そして、夕日の光のせいか余計皐月の髪は光っていて。
とても、綺麗。
綺麗な人とかはクラスに何人かいるけど、ここまで思ったのは皐月が初めてかもしれない。
別にメイクをしているわけでもなく、高級な洋服も何も着ていないのに。
だけど、綺麗だけど、人形みたいだ。
感情を持たない、人形みたいだ。
人と接すること拒否し、触れるだけでも体が震えだす。
そうか、オレはそんな皐月を変えたいのか。
このオレの力で。