恋海-私と彼の恋の伝説-

海side



皐月とは今日は話していない。



ずっと、葵にべったりだ。



葵はたぶん皐月に聞かされたんだろう、少し泣き跡が残っていた。



「お前も、認めてやれよ。」


少し声を低くして言う棗はオレに向かって言っているんだと思う。


「そう簡単に言わないでくれ。」



「あのな、皐月だって未来のためにまず苦手意識を克服しようとしてんだよ。というか、一年間だけだろ。」



棗はこんなジメジメしたオレに苛立っているのだろう。


口調が厳しすぎるぜ。



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