~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>
「御主よ、それでは、わたくしめを、放逐されるというのか?」
「いや。ただな、おまえもまんざらではないのではないか、とな。引き留めて欲しくば、この二人をどうにかせよ」
「ではこの二人を殺せば良いのですね」
「闇の王!」
アレキサンドラと王子が同時に非難の声を挙げた。
謁見の間は広く、中程まで行くと横に交差して赤い絨毯が敷かれており、下への段差があってそこの方には水が、流れている。
これは、汚物と血の匂いをぬぐい去る為のものではないのか。