~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>
鏡の中は空洞だった。
クリスチーネが言うには、
『これが竜神様への一番の近道さあ』
と、いうことなのだがどうだろう。
あたりは無味乾燥な空気が鼻をつく。
湿り気がなく、鼻腔が乾いて呼吸がしづらい。
その中を駆け抜ける。
二人、手を繋いで。
たどり着いたところは、湯煙でよくわからないけれど、かなり巨大な真ちゅう風呂だと思った。
湯気が立っているというのに手を付けると冷たい。
『竜神さま、竜神様ァ! 助っ人を連れて参りましたぜっ! それもかなり見所のある二人です!』
「なに?」
と、湯気の中に二つの巨大な紅い光が灯っていた。