~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>
第二十一章 竜転生と女神候補
「なんでもかんでも、思い通りにゆくと思うな!」
王子の一言に、アレキサンドラは腕に力を込めた。
二人はいや三人は、ウロボロスの口の中から、からくも『彼』をすくいあげた。いや、無理矢理、引きずり出したと言っていいだろうか。
マグヌムは、光のボケ始めた兄に向かって言った。
『俺はおまえのそんなしょぼくれた姿など見たくはなかった』
マグヌスはほのかに笑って、
『私はおまえのわがままが聞きたかったよ、マグヌム。おまえが私を厭うなら、私がこの世を去ろうと思ったが、おまえに再び会えて、そんな気は失せた』
とりあえず、きまずくはあったものの、二匹の双竜は熱い再会を果たした。