~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>
「好きにするが良い、クリスチーネ。あるいは望むものを手にすることができるかも知れない」
えっ、えっ? と、戸惑う彼女は、その場に立ちつくして震えながら拳をきつく握った。
『俺は王子が好きだ。あの娘が好きだ。二人が好きなんだ。だから、行っても、いいですか?』
「……良い目をしておる。お前も、あの二人も」
まだまだ未熟だがな、と言って、竜神はそれきり黙った。
『ありがと。とーちゃん。俺のせいでそんな姿になっちまったってゆーのに』
「女神候補がピーピー泣くものではない」
『とーちゃん。こんな俺にも、できそうな事ができたよ。きっとやり遂げてみせるから。だから、遠くから見ててくれよな』