~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>





 何日か経って、マグヌスは退職の手続きが終わり、泉へと向かった。そこはひっそりとして寂しい。

 彼の弟はどれだけの思いをしてここへとどまると言ったのだろう。

 当時、マグヌムが使っていた獣の穴に、いつの間にか結界が敷いてあって、クリスチーネがそこでまじないのようなことをしている。

 入り口の純白の花が目印だ。

 どこで聞いたか忘れたが、彼女は『リリー・アンの恋愛成就、必ず当たる御神託』などという触れ込みで商売を始めたようだ。

 それがまあ、本当に当たるらしいのだ。


『どれ、腕前の程はどうかな』


『兄貴、俺に会いに来たんじゃないのかよ』


『そんなことは一言も言ってはおらぬ』
 マグヌムはぶーたれた。マグヌスは食い入るように彼女の所作を見ていた。
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