~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>


「くっ」


 心から愛する者の言葉を信じてはならない。

 今こそ、その言葉を思い出す時だった。


(ボクはあなたをおいて逃げはしない! 絶対に)


「もう一度、奇跡を。お願い! 清浄なる森のベルよ、その神韻を響かせたまえ!」


 ベルは三度鳴らされた。

 進むべき道が示された。
 
 それは修羅の道だった。


『この門をくぐる者、一切の希望を捨てよ』


「ああ、ああ、ああ!」


 一切の!  希望をあきらめて人は生きられるものだろうか?
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