~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>


 アレキサンドラが言うと、気(き)短気(みじかげ)に主はイライラと大きなオーブのついた杖で床をどん、とついた。


『この先、ただの人間にこの地獄を浄化されたと、ワシは嘲笑されねばならぬのか。愚弄であるぞ!』


 アレキサンドラは跪いた。


「恐れながら申し上げます。私どもは竜殺しの罪人であります。額の青い鱗のような印がその証」


『ならば』


 と、地獄の主は傍らを示し、


『その呪いを刻んだのはこのものの怨念に違いあるまいな』
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