~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>
「へいきへーき。もー、二度と会うことはないだろうから。竜神様にも、地獄の主にも」
『もう、のんきな奴だなー』
「クリスチーネ。王子はああいうお方なのだ。大丈夫、二人で見ていればなんとか、あー、なんとなくだが、そう思う」
『ホントだろうな、大丈夫って』
「大丈夫、大丈夫、きっと」
アレキサンドラのささやきに、眉間にしわを寄せて心配するクリスチーネも、仕方なく見守ることにした。
「ところでクリスチーネ、敵はだれだったんだ?」
「ええ? いまさらそんな……」