~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>


「じゃあ、最初に戻るが、君に呪いをかけた奴はどうなったんだ?」


 物事に敏感な王子が反応して、クリスチーネに自ら話しかけた。

 ぴくぴくっ、ぴく! と彼女の長い耳が反応する。


「仇に会ったのだな? でも、もう……」


『ああ! 話のカタは着いたよ。主の許しは得た。だから今度は俺を地獄に堕とした側近の奴が、この辺に隠れてるって聞いてやってきたんだ。とっちめてやろうと思ってさ』


 とぐるりと見回すと、庭師のような格好をした男を見つけた。

 犯人だ、とすぐさま断定した。なぜって? 石庭に枝葉を落とす道具はいらないからだ。


『あー! この親父! 俺を地獄へ突き落とした奴だな』


「クリスチーネ、いえ、リリー・アン様。許し給え。あれしか神々の怒りを免れて、しかもおもしろがっていただくにはなかったのだ」
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