~天は赦さる~<~天へ送る風~完結編>
第二十章 こちらから出向く
「やれ、やっぱり来たか」
地獄の覇者はちょうど合戦ごっこで遊んでいた。れいの暗闇の中で、かすりもしない敵の攻撃が面白くないらしい。
「主よ! マグヌムは連れて帰る!」
と、怒鳴ると、まるで玩具でも貸し借りしていたかのように、
「あー、いいよ。持ってって」
等という。
ぶすっとしたマグヌムに耳を近づけると、こんな話が出てきた。
「全力で来いとか言っておいて、都合が悪くなると腹痛だ、強く叩きすぎだ、と怒鳴るくせに、手を抜くと腰抜け呼ばわりだものな……やってられん。これはやってられん」