*隠れ姫~元男子校でsweetパニック☆~*


ーーーーー…
ーーー…


桜庭家に到着した私たちは…


む、無言だった…


桜庭家の車で来たのだが、その時に「絶対、俺が男装してる、なんて言うなよ!?」と、私が念をおすのを「承知しております」と、きらっきらっの笑顔を返されて以来一言も言葉を交わしていない。


無駄に長く広い廊下を凪斗を後ろに引き連れて歩く。


勿論、今は男装なんてしていない。


長い黒髪が少しなびく。


あぁ、こんな事ならあの激辛~(以下略)のパンを神条なんかにあげずに食えばよかった!!絶対気合い入ったのに!!


下がっていくテンションにため息をつく。


あっ、そう言えば…

あのパン食べた後、神条何気に機嫌よかったよな!?


辛いもんあげたら機嫌よくなるのか~
ふむふむ……。メモメモ!!



「………ん?」


メモをしていた自分の手をピタッと止める。


よく考えたら何で私、アイツが機嫌よくなることメモってんだ!?

まぁ機嫌よくなると扱いやすいからなんだけど……


軽く頭痛がして眉間を押さえようとしたら……

ズッ

「っイタッ!!」


持っていたシャーペンが瞼にささる。

目ぇ閉じててよかった……


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