大好きな空


 授業が終わり、
 ありったけの勇気を振り絞って
 声を掛けた


 「か…っ上谷くん!」


 上谷くんは
 すぐにこちらを振り返った

 「何?」

 「さっきは…消しゴム
 拾ってくれて…ありがとう」

 まっすぐに目を合わせてくる
 上谷くんの顔が見れなくなって
 語尾が小さくなってしまった





 「あぁ…
 どういたしまして」



 と、上谷くんが笑った


 そのキラキラした笑顔が
 目に焼き付いて離れなかった


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