彼氏はドクター
悩み
ピリリリ〜
家の電話が鳴った。
「はい。もしもし?」
「あのー。桜井ですけど、彼方先生はもう、帰ってますよね?」
「彼方はまだ、帰ってませんが…」
「どこにいるのか知ってます?」
「わかりません」
「彼女なのに、彼氏の事わからないんだ。それって彼女失格じゃない?用はそれだけだから、もういいや。じゃあ。」
私は彼女失格なんだ。
彼方も私みたいな子供より、桜井さんみたいな、大人の人の方がいいんだよね。
私はそう思うと、とにかく家にいたらダメだと思い、気がついたら走っていた。
近くの公園に着いた。
ハァ…ハァ…
まだ喘息は出てないが、時間の問題だと思う。
熱があるから、ボーっとする。
ピリリリ〜
私の携帯が鳴った。携帯持って来たんだ。電話は家からだから、彼方だと思う。
「もしもし。」
「奏?どこにいるんだよ。」
「公園」
「公園?今から行くから、じっとしとけよ。」
また彼方に迷惑かけちゃった。
ごめんなさい。