彼氏はドクター


「次は、聴診な」


聴診もするの?嫌だな。

と思っていると、ボタンがまたはずされた。

全部じゃなくてよかった。


「リラックスしてて。…深呼吸して」


いつになっても慣れないな。


気がついたら、彼方の顔をずっと見ていた。

いつにもなく真剣な顔で私の音を聞いている。


かっこいいな。だからモテるんだろうな。


「はい。いいよ。まだ喘息の音消えてないから安静にしとけよ」




それだけ言うと、彼方は私の部屋から出て行った。


< 84 / 118 >

この作品をシェア

pagetop