彼氏はドクター


突然、屋上のドアが開いて、肩で息をしている彼方が入ってきた。


私の姿を発見すると、

ぎゅっと抱きしめてくれた。

なんで?なんでこんなに私に構うの?


「何してるんだよ。安静にしとけって言ったよな。奏に何かあったら俺、生きていけない。心配させんな。」


「ごめんなさい。」

私たちはしばらく抱き合っていた。



「なあ?どうして今日点滴はずしてまで屋上にきたの?それと修学旅行から帰ってきた日なんで公園にいたの?」


やっぱり。理由聞かれると思ったんだ。

理由を話したら彼方は桜井さんのところに戻っていっちゃう。

また涙が流れ始めた。


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