Little Princess


『…私は大丈夫だからっ

慎治はバレー、もう一度やってきなよ!!』



慎治に心配かけないように、なるべく明るい声を出して、笑顔をつくる。


慎治はそれでさえ見抜いているのか、もう一度複雑そうに笑うと、


「わかった。」



そう言ってバレーの輪のなかに入っていた。



…別に、私は心臓が悪いことを悔やんだことなんて一度もない。



ただ、こうやってみんなと運動できないのは少し寂しいけど、


慎治が来てくれるから、どうってことなかった。



――この、瞬間までは。



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