Little Princess
「やめろよ!!!!」
………えっ??
「美奈の症状は生まれつきだから仕方がないし、別に移ったりしない。
…二度とそういうこというな。」
一瞬、耳を疑ってしまった。
いつも温暖で感情的になったりしない慎治の怒声が、何回も頭に再現される。
…慎治が、私のために。
怒った……??
「…美奈に謝れよ。」
慎治の威圧的な声に、男子は申し訳なさそうに私の前へと近寄ってくる。
けれども、今の私には男子の言葉なんてどうでも良く、珍しく厳しい顔をした慎治だけが視界に映っていた。