Little Princess



「やめろよ!!!!」




………えっ??




「美奈の症状は生まれつきだから仕方がないし、別に移ったりしない。


…二度とそういうこというな。」



一瞬、耳を疑ってしまった。



いつも温暖で感情的になったりしない慎治の怒声が、何回も頭に再現される。



…慎治が、私のために。


怒った……??




「…美奈に謝れよ。」




慎治の威圧的な声に、男子は申し訳なさそうに私の前へと近寄ってくる。



けれども、今の私には男子の言葉なんてどうでも良く、珍しく厳しい顔をした慎治だけが視界に映っていた。



< 14 / 41 >

この作品をシェア

pagetop