Little Princess
…どれぐらい、たったのだろうか。
シロツメグサの冠を作り始めた時には真上にあった太陽も、もう沈み返ってる。
熱中すると、時間を忘れてしまうのが私の悪い癖。
やっと出来たシロツメグサの冠は、ヘナヘナに曲がっていて、私の不器用さを象徴しているようだった。
…慎治は幼い時に出来たのに。
なんで私はできないんだろう。
子供ぽくて無邪気なくせに、わりと器用な慎治が憎たらしい。
そしてそれ以上に、そんな些細なことでも、いちいち慎治を思い出してしまう自分が憎たらしかった。