Little Princess
細く、繊細な美奈の腰。
力加減を間違えると折れてしまいそう。
美奈から零れた1つの雫は、俺のシンプルなTシャツに染みを作ってゆく。
…それさえ、愛しくて。
俺は美奈の涙を手のひらですくい、そっ、と、触れるか触れない程度のキスをした。
『…心配かけんなよ。』
俺にしては珍しく、強い口調、強い視線で美奈の視線を捕らえる。
揺れるような美奈の視線は、不安や困惑で満ち溢れているように見えた。
――勘違い、していたんだ。
美奈とはずっと隣にいて、家だって隣で。
過去も、そして未来も、俺と美奈は一緒にいるのだと。