Little Princess
「…はい、シロツメグサの冠。
慎治にあげる。」
そう言って、背伸びをしながら、俺の頭の上に、パスン、と冠をのっける美奈。
しかし俺の頭の大きさとアンバランスだった冠は、床へとフワフワと落下してしまった。
…美奈は不器用なんだから。
「うーん、ちょっと小さかったかな。」
…いや、ちょっとどころじゃねぇーし。
シロツメグサの冠とにらめっこしている美奈の姿を見ると、自然に顔がほころぶ。
ずっと前にも、こんなことあったっけな。
…なんて考えながら、俺は目を閉じあの時のことを思い出していた。