Little Princess
不器用な形。
俺とアンバランスな大きさ。
野原と、シャンプーが混じったような香り。
――美奈がいた証拠が、ここにある。
ふと、窓の外に広がる青空を見上げる。
不思議と心は清々しく、どこか優しいものが込み上げてきたような気がした。
「…今年も、春がきたのね。」
『…あぁ。』
カーテンを揺らし、窓から入ってきた新鮮な風は、
あの懐かしいシャンプーと、春を運んできているようだった。
――I will never forget my little princess.
~fin~