勿忘草
「かわいいでしょ?お姉ちゃんが作ってくれたの!」


満面の笑みで顔を上げ、そう話す女の子はとても嬉しそうだ。


「ははっ、よかったなぁ。お姫様みたいだよ」


先生は愛おしそうに目を細めると、
髪を崩さないよう、優しく頭を撫でた。


すると女の子は満足げに笑う。


「葛城先生、今日は本当にありがとうございました。」


シオンは深々と頭を下げる。



「いやいや。君こそ、この子に冠を作ってくれてありがとう」


「お礼を言われるほどでは…」


首を軽く横に振り、否定するシオン。


「お姉ちゃんありがとう!」



そう言って女の子は、シオンに駆け寄る。




すると彼女は腰を下ろして、女の子と目線を合わせる。


「どういたしまして。喜んでもらえたみたいでよかった」


彼女はそう言って微笑んだ。



それに釣られて俺達も笑う。



「ねぇお姉さん。私のも作ってー」

「私も~」


そう言って他の女の子達がそれぞれにシオンを引っ張る。


「待って、ほら順番よ」






< 101 / 136 >

この作品をシェア

pagetop