勿忘草
《私達、ずっと一緒にいれたらいいね》
誰かの声が聴こえる。
誰?
誰かが幸せそうに笑ってる。
でも笑ってるのは分かるのに、何故か顔が見えない。
どうして…
どうしてあなたはそんなに幸せそうなの?
聞きたくても声が出ない。
顔を見ようとしてもどんどん視界がぼやけてゆく。
ふわふわとした空間の中、徐々に体に重みが増してゆく。
それは現実味のある重さ。
視界が真っ暗になった時、一気に全てが光に包まれた。
「…ん…。」
ぼやける視界。
見慣れない天井。
頭がズキズキと少し痛む。
随分眠っていたような…重くだるい体を無理に起こせばそこは見覚えの無い部屋だった。
辺りを見回す。
大きな窓開かれ、心地の良い風が部屋全体に包み込み、
気持ちの良い太陽の光が差し込んでいる。
落ち着いた感じの室内。
大きなベットは白と黒色でふかふかだ。
壁に付いてる時計を見れば時刻は4時を指している。
ボーっとして、なかなか覚醒しない頭で考える。
ここはどこだろう?
昨日は総護君と一緒にご飯食べて…
確か交番の前で私…