勿忘草
「熱っ」
ボーっとしていたからか冷ますのを忘れて、お粥を口に運んでしまった。
口の中で熱々の卵粥を、
急いで置いてあった水で流し込み、ふぅと一つため息をはいた。
私も彼の役に立てないだろうか?
お世話になってばかりで。
凄く申し訳ない気持ちになった。
カランッ
そんな事を考えてる内に土鍋に入っていた卵粥をすべて食べ終えた。
これ…片付けなきゃ。
総護君には寝てろと言われたけれど、やっぱり自分でできることは自分でしないと。
やってもらってばかりじゃ駄目だ。
そう思い、ベットから降りて、床に足をつける。
腰をゆっくりとあげ立ち上がると、
久しぶりに立ったせいか体がふらふらする。
なんとか体を慣らして、空の土鍋がのせられたお盆を持って部屋を出た。
するとリビングに出た。
大きなテレビに高そうなソファー。
寝室と同様、黒でまとめられた部屋は、
とても綺麗に整えられていて、そのせいかあまり生活感が無かった。